ジョンの魂について書こうと思っているのだが、僕の拙い作文力ではなかなか思うようにまとまらない。
サウンドのことだとか、曲のことだとか、詩のことだとか、この時期のジョンって太ってるよね、とか、とりわけ邦題についてアレコレ書いてみたいのだが、とっ散らかりすぎて片付かない。
一聴すると表現としてはシンプルではあるが、行間にはギューギューと情念というかそれこそ「魂」が詰まっている作品だから、そもそもそれについて語ること自体が無謀とも言えるが。
ところで、そんな「ジョンの魂」のあれやこれやと取っ組み合いながら聴いていると、ふとそよ風が吹くのである。
このアルバムのベース、いいなァ。
そう、そよ風の正体はベースだ。
弾いているのは、クラウス・フォアマン(Klaus Voormann)。
アルバムクレジットではオノ・ヨーコが「WIND」担当とされているが、このアルバムのそよ風は間違いなくクラウス。
古くからのジョン・レノン、そしてビートルズの友達。
その邂逅はデビュー前、ビートルズがドイツでハコバンをしていた時期に遡る。
そんな、お互いが一層多感だった年頃に苦楽を共にしたからなのか、狂気の一歩手前とも感じられる「ジョンの魂」に、クラウスはスッと手を差し伸べてくる。
もちろん、ジョンも思ったはず・・・。
「クラウス、オレのこと、わかってんじゃん!」
思えば、この「ジョンの魂」。
ジョン、クラウス、そしてドラムにリンゴ・スターの3ピースで録られている(オノ・ヨーコは「風」)。
つまり古くからの友達が集まってバンドをやっているわけで、これがこのアルバムにとってとても重要なカタチ、条件だったのではないかと想像する。
さて、クラウスはこの次のアルバム、「イマジン(Imagine)」にも参加することになる。
また「イマジン」には、もう一人の古くからの友達、ジョージ・ハリスンが加わる(とはいえ、リンゴは不参加)。
「イマジン」は「ジョンの魂」に砂糖をふりかけたようなもの・・・というようなことをジョンは口にしていたと思うが、なるほど古くからの友達とのバンド活動が続いていたわけで、その意味でこの2枚のアルバムはツインアルバムなのである。
その後、ジョンとヨーコはアメリカに渡り、スタジオ・ミュージシャンやご当地バントと音楽を作るようになった。