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退屈なこの国に届いたRCサクセション「Complete EPLP」は悲しいことばっかり・・・。

RCサクセション

退屈なこの国に、RCサクセションの「Complete EPLP」が届いたわけです。

忌野清志郎デビュー50周年プロジェクト、という文脈での今回のリリース、しかし私的にはRCサクセションの50周年に他なりません。

結成から50年、活動休止から30年。

結成から50年というよりも、彼らがいなくなってしまってから30年も経つということに、最後の武道館公演に居合わせた身としてはちょっとした衝撃さえ覚えます。

長い。あまりにも。

さて、「Complete EPLP」。

ナゼこのタイトルなのかは、知っている人は知っている、1981年にリリースされた「EPLP」(エプルプじゃありません)というRCサクセションのシングル集がそのタイトルの由来。

つまり、RCサクセションのシングルレコード集の完全版というわけでです。

そもそもRCサクセション、50周年だなんだという前に、多くの楽曲が未CD化のままここまで来ました。

今回のコンピレーションでさえ、それまでに未CD化だった作品が10曲もあるのです。

なんてことだ、いったいどうなってんのよ社長・・・と、RCファンは鬱屈した思いを抱きながら日々を過ごし今日に至り・・・そして私もその一人として、このコンピレーションを手にしました。

ああ、それなのに・・・。

私が「悲しいことばっかり」と書いたその理由。

  1. 装丁がありえないほどダサい。
  2. 12インチシングル「NAUGHTY BOY」が収められていない。
  3. ロンドン時代の楽曲はまさかの盤起こしか・・・?

RCサクセション Complete EPLP

目次

装丁がありえないほどダサい。

まず、1について。

CD3枚が収められた箱にしろ、各CDが収められたスリーブにしろ、およそRCらしくも忌野清志郎らしくもないこの大雑把なデザイン。

これがRCサクセションの、忌野清志郎の「50周年」の記念盤だというのでしょうか。

さらにブックレット。

表紙周りはカラーではあるものの(とはいえこれまた何も伝わってこないひどいデザイン)、中面はすべて1色刷な上、申し訳程度にコメントが掲載されている他は、ほぼ歌詞カード。

こ、こ、これが50周年を迎えたRCサクセションを、シングル盤を通じて包括する作品集の姿なのでしょうか・・・。

か、悲しすぎる・・・。

12インチシングル「NAUGHTY BOY」が収められていない。

次、2について。

1985年にリリースされた12インチ盤「NAUGHTY BOY」。

忌野清志郎が単身英国に渡り、この傑作バラード集を現地スタッフ陣と共に仕上げました。

そしてこの作品以降、RCサクセションのオリジナル作品は海外のスタッフでマスタリングされることになります。

また、この渡英は忌野清志郎のソロアルバム「RAZOR SHARP」の布石にもなっている。

そういう背景を考えると、EPじゃないからかなんなのか、理由はいくらでもつけられるのでしょうが、この12インチ盤4曲が収められていないということはただの片手落ちに過ぎないと思います。

ナナナナなんて悲しいんだ・・・。

ロンドン時代の楽曲はまさかの盤起こしか・・・?

そして、3について。

私がこのコンピレーションが発売されると聞いて最も楽しみにしていたのが、このロンドン時代の楽曲がリマスタリングされるということでした。

と同時に、私が最も驚愕したのがここです。

この作品集、発売元のユニバーサルミュージックの公式ウェブサイトにはこうあります。

デビュー・シングル「宝くじは買わない」から、ラスト・シングル「I LIKE YOU」まで全21枚のシングルA/B面を、オリジナル・マスターからの2020年最新リマスタリングで完全収録。

これを目にしただけで、「あぁ、やっとロンドン時代の名曲の数々がリマスタリングされてCDで聴けるようになるのか・・・30年以上かかった・・・長かった・・・」と目頭を熱くしたものです。

実際CDを手にしてまず聴き始めたのが「サマーツアー」から。

しかし。

ナゼこんなに音が割れてたり歪んだりしているのだろう・・・。

「オリジナル・マスター」からのマスタリングなのに・・・。

おれのオーディオがおかしいのかナ・・・?

それとも・・・。

こ、こ、これはまさかまさかの、「盤起こし」じゃなかろうか?

そこで、遡って聴き比べをしてみました。

例えば、「ベイビー!逃げるんだ」は2005年のベスト盤「GREATFUL DAYS」他数種類のCDに収められています。

それらと比べてみても明らかに今回のマスタリングは異質。

著しく質が悪い。

同じく「SUMMER TOUR」。

「KING OF BEST」や「GOLDEN BEST ユニバーサルエディション」と聴き比べるも、やはり今回のバージョンの音質の悪さにがっかりさせられます。

しかし、あらためてこの「SUMMER TOUR」のシングルバージョンを遡って聴いてみると、既出のマスタリングでさえもひょっとすると盤起こしなのかと思えてもきます。

なんとなくノイジーだし。

とすると、ロンドン時代はオリジナルマスターテープがすでに存在しないのか?

それともオトナの事情で使用できないのか。

しかしそんなことは我々末端のリスナーにはどーでもいいことで、こんな劣悪な音質でリリースされてはタマランのです。

音が割れ、歪んでしまった「窓の外は雪」を聴くと、心底悲しくなる。

ナゼこんなに音が悪いのかその本当の理由はわかりませんが、ぼくは全裸で笑うしかないのです。

思えばRCサクセション、デビュー時から活動休止まで、クオリティの高い楽曲をたくさん産み出しながらも、自分たちの理想とする形で発表できなかったというエピソードを非常に多く聞きます。

そして、活動休止から30年経ってもこの始末。というか、この仕打ち。

退屈どころか、この作品、悲しいことばっかり・・・なのです。

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