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FLOWERS IN THE DIRTをリマスター版で聴く。

Flowers In The Dirt

まず、タイトルがイイのです。

FLOWERS IN THE DIRT。日本語に訳すと・・・いや、そんなことはいいのです。FLOWERS IN THE DIRT、この響きなのです。

このタイトル、アルバムに収められた「That Days Done」という曲の中の一節。またこの曲が素晴らしい。ポール・マッカートニーとエルヴィス・コステロの共作曲。

そのコステロがまたイイのです。

それがこのリマスター版に収められたデモテイク集で確認できます。ビートルズ大好きのコステロが、「ビートルズ」や「ポール・マッカートニー」というビッグネームに対していささかも怯むことなく、臆することなく、でも少々緊張しつつも、正面から向き合っているのです。

真面目なコステロ。ガチンコです。

これでポールは目が覚めたのではないでしょうか。この後の復活(一般的評価として)、大活躍があったのはこの邂逅が思いの外大きかったのでは(とは言いつつも、80年代後半のポール・マッカートニーもとてもチャーミングですが)。

リマスターによって全体的に音がふくよかに聞こえるようになった反面、旧版にあったシャープな、歯切れの良い、いかにも当時(89年)のサウンドという印象はなくなりました。個人的にはあのペタペタしたサウンドは(このアルバムに限っては)結構好きだったので少々残念。

また曲によってサウンドのカラーがまちまちであるということも、今回のリマスターで目立つようになったと感じます。

ライナーのレコーディングデータにもあるように様々なレコーディングセッションの寄せ集めアルバムであることがよりハッキリと聞き取れます。

ああ、それなのに。寄せ集めた途端、あら不思議、すっかりFLOWERS IN THE DIRTというタイトルのもと、その一枚のアルバムになっているのです。これもまたこのアルバムの一つの楽しみ方かもしれません。

Side 1

My Brave Face
Rough Ride
You Want Her Too
Distractions
We Got Married
Put It There
Side 2

Figure Of Eight
This One
Don’t Be Careless Love
That Day Is Done
How Many People
Motor Of Love
(1989年リリース版)

ちなみに、今ではあたかもオリジナルラインアップのように収められている「太陽はどこへ?(Où Est Le Soleil?)」は、元々はあくまでボーナストラック。
念のため。

 

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