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Suite For Max Brownはジェフ・パーカーの頭の中組曲。

Suite For Max Brown

私は自称音楽好きですが、好きなジャンルは何?と聞かれるほど困ることはありません。

ロックも好きですがエアロスミスは聴きません。AC/DCも聴きません。

ソウルも大好きですが、ホイットニー・ヒューストンには特に興味はありません。

ジャズ好きではありますが、ウィントン・マルサリスは名前だけしか知りません。

ということは、ロックもソウルもジャズもブルースも好きではないということなのかな?と自問自答してみるのですが、どう考えてもそういうことではないらしい。

ビートルズもローリング・ストーンズもハイラマズもオーティス・レディングもクラレンス・カーターもマイルス・デイビスもオーネット・コールマンもこよなく愛しています。

つまり、そもそも音楽を語る時に「ジャンル」という概念を持ち出すこと自体がおかしいわけです。

音楽にしろ他の芸術作品にしても、結局は人や作品そのもに惹かれるものではないでしょうか。

さて、亀じゃないトータス(Tortoise)のギタリストでありジャズ業界(こういう時にはジャンル分けも便利)でも活躍するジェフ・パーカーの新作です。

この作品を語ろうとすればするほど、ジャンルというカテゴリが邪魔になる。

ジャズといえばジャズ、ヒップホップ的なところやソウルも感じるし(オーティス登場)、テクノでもあるし、ノイズ、インダストリアル、アンビエント、ギターの音色はなかなかロックだなと、結局全部です。

そんなことは置いておくとして、私にはジェフ・パーカーのアタマの中といった様相に聞こえます。

とにかく様々な音がはいっている。あっちにいったりこっちにいったり、すれ違ったり。ある瞬間にはがらりと景色が変わったり。

しかし決して破綻せず、むしろ一枚を通してとても心地よい時間を過ごせます。

思えばこのアルバムタイトル「Suite For Max Brown」のMax Brownとはジェフ・パーカーのお母さんだそうで、彼女に何か捧げたかったと制作意図を語っています。

そういう意味でお父さんに捧げた前作「The New Breed」から繋がっているわけです。

この作品に溢れる心地よさの理由はそんなところにあるのかもしれません。

しかしそれにしても、人間ってのは面倒くさい生き物です。

感謝を捧げるために、こーんなまわりグドいサウンドを作り上げなければならないのですから。

ま、その面倒臭いところも音楽の面白さなんですよね。

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